■「石綿含有産業廃棄物」排出事業者の留意事項 |
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1 | 排出事業者は「元請業者」 | ||
工作物の新築、改築、除去等の工事ににおける「石綿含有産業廃棄物」の排出事業者は、原則として元請業者が該当します。実際の建設等工事の施工は下請業者が行う場合であっても、廃棄物処理についての責任の所在が曖昧にならないよう、発注者から直接建設等工事を請け負った元請業者を排出事業者とします。 | |||
2 | 処理計画の策定 | ||
排出事業者(元請業者)は、石綿含有産業廃棄物の適正処理を図るため、これらの処理に関し次の事項を定めた処理計画を定めましょう。この際、発注者からの情報をもとに、情報収集や現地確認により石綿及び石綿含有成形板使用の全体像を把握することが大切です。 | |||
(1) |
事業場内で発生する廃棄物の種類、発生量及び処理量 | ||
(2) |
廃棄物の減量その他の適正な処理に関する目標 | ||
(3) |
撤去方法 | ||
(4) |
事業場内での保管方法 | ||
(5) |
収集・運搬方法 | ||
(6) |
中間処理及び最終処分方法 | ||
(7) |
処理を委託する場合は、委託業者の許可の内容(収集運搬業者、中間処理業者及び最終処分業者の許可番号、事業の範囲、許可期限等)、委託方法、処理施設の確認方法、添付書類として産業廃棄物処理委託契約書及び産業廃棄物処理業の許可証の写し | ||
(8) |
工事概要(工事名称、工事場所、工期、発注者名、設計者名、作業所長名、廃棄物管理責任者、工事数量、解体工事の請負業者名) | ||
3 | 石綿障害予防規則と大気汚染防止法の取り扱い | ||
石綿障害予防規則では、廃棄物の処理以外の作業方法や作業順序を示した作業計画を定めることされているので、これらを加味して計画書を作成する必要があります。 また、石綿を含有する建築材料(アスベスト成形板)が使用されている工作物等の解体や除去作業を行う場合に、事前の調査や作業計画の作成などが義務づけられています。石綿障害予防規則に基づく事前調査等の詳細については、最寄りの労働基準監督署にお問い合わせください。 大気汚染防止法では、石綿を含有する断熱材等の特定粉じんを排出する解体作業等について事前に県(現場が前橋市、高崎市においてはそれぞれの市)への届出を義務づけています。詳しくは管轄の環境(森林)事務所又は市役所へお問い合わせください。 |
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■管轄の環境(森林)事務所 | |||
◆石綿が使用されている建築物等の解体等にあたってはこちらを参考にしてください。 ■建築物の解体等の作業における石綿対策(PDF/2.54MB) 平成18年改正石綿障害予防規則の概要 ■解体工事を始める前に(PDF/1.17MB) 大気汚染防止法に基づく建築物・工作物の解体等作業におけるアスベスト飛散防止対策について ■(参考図書)建築物の解体等に係る石綿飛散防止対策マニュアル2007 社団法人日本作業環境測定協会発行 電話03-3456-0445 |
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4 | 排出場所における保管 | ||
排出事業者は、その産業廃棄物が運搬されるまでの間、環境省令で定める技術上の基準に従い、生活環境の保全上支障のないようにこれを保管しなければなりません。 解体等により排出された石綿含有産業廃棄物は、他の物と混合するおそれのないように仕切りを設けることや、飛散を防止するため覆いを設けること、梱包することなど産業廃棄物保管基準(廃棄物処理法施行規則第8条)に基づき適正に保管しなければなりません。また、保管場所に掲げる掲示板には、石綿含有産業廃棄物が含まれる旨を表示する必要があります。 |
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■産業廃棄物の保管基準 ■保管場所の掲示板 |
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5 | 処理の委託 | ||
排出事業者は、石綿含有産業廃棄物の運搬又は処分を他人に委託する場合には、産業廃棄物委託基準(廃棄物処理法施行令第6条の2)に従いそれぞれ委託しなければなりません。 | |||
■産業廃棄物委託基準を遵守しましょう | |||
(1) |
収集運搬 |
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排出事業者が石綿含有産業廃棄物の収集運搬を委託できる者は、産業廃棄物収集運搬業者であって、解体等に伴って発生する「廃プラスチック類」「ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず」「がれき類」がその事業範囲に含まれる者に委託しなければなりません。積み込み地(排出場所・保管場所)及び積み下ろし地(中間処理施設又は最終処分場の所在地)双方の都道府県知事等から収集運搬業の許可を得ていることが必要です。 なお、群馬県においては、平成19年5月1日以降に収集運搬業の許可申請(更新及び変更許可を含む。)をし、許可を受けた収集運搬業者は、許可証に「石綿含有産業廃棄物を含む」旨の表示がない場合には石綿含有産業廃棄物を収集又は運搬することができませんのでご注意ください。 |
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■石綿含有産業廃棄物を取り扱うことができる産業廃棄物処理業者の許可証について | |||
(2) |
中間処理 |
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廃棄物処理法は、石綿含有産業廃棄物の処分又は再生を行う場合は、「石綿含有産業廃棄物による人の健康又は生活環境に係る被害が生ずるおそれをなくする方法として環境大臣が定める方法により行うこと」(廃棄物処理法施行令第6条第1項第2号ニ)と定めています。環境大臣が定める石綿含有産業廃棄物の処分又は再生の方法(平成18年環境省告示第102号)として次の四つが定められています。 | |||
ア |
廃棄物処理法施行令第7条第11号の2に掲げる溶融施設において石綿が検出されないよう溶融する方法 | ||
イ |
廃棄物処理法第15条の4の4第1項の認定に係る無害化処理の方法 | ||
ウ |
一般廃棄物処理施設において石綿含有産業廃棄物等の溶融施設に係る構造基準に適合するものであって当該溶融施設に係る処理基準に従い溶融する方法(市町村がその事務として産業廃棄物を処理する場合) | ||
エ |
石綿含有産業廃棄物をア〜ウの施設に投入するために必要な破砕又は切断を当該施設において行う方法 | ||
■石綿含有産業廃棄物の処理の概要 | |||
このように、石綿含有産業廃棄物は、石綿含有産業廃棄物の溶融施設として都道県知事等から設置許可を受けた施設及び石綿を含む廃棄物を無害化処理(人の健康や生活環境に係る被害が生ずるおそれがない性状にする処理)できるものとして環境大臣の認定を受け設置された施設などでのみ中間処理(溶融・無害化・破砕や切断)が認められています。 なお、破砕・切断については、溶融施設等に投入するために必要な破砕・切断を当該施設で行う場合のみ処分又は再生の方法として定められましたが、例外として、排出場所において、散水等により石綿含有産業廃棄物を湿潤化したうえで、収集・運搬のために必要な最小限度の破砕又は切断を行うことが認められています。(廃棄物処理法施行令第6条第1項第2号ニ (2)、平成18年環境省告示102号第2条第2項) |
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■廃石綿等の処分業者(環境省のHPで公表されているもの) 注)石綿含有産業廃棄物を取り扱えるかどうか業者への確認が必要です。 |
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(3) |
最終処分 |
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石綿含有産業廃棄物の最終処分は埋立て処分により行うこととし、埋立て処分は廃棄物処理法第15条第1項に基づき都道府県知事等の許可を受けた安定型又は管理型最終処分場で行わなければなりません。 なお、群馬県においては、平成19年5月1日以降に処分業の許可申請(更新及び変更許可を含む。)をし、許可を受けた処分業者は、許可証に「石綿含有産業廃棄物を含む」旨の表示がない場合には石綿含有産業廃棄物の埋め立てをすることができませんのでご注意ください。 石綿含有産業廃棄物の埋立てを行う場合は、最終処分場のうち一定の場所において、石綿含有産業廃棄物が分散しないよう行うことや埋立地の外へ飛散・流出しないようその表面を土砂等で覆うことなどが定められています。 |
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■石綿含有産業廃棄物の処理の概要 ■石綿含有産業廃棄物を取り扱うことができる産業廃棄物処理業者の許可証について |
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◆石綿含有産業廃棄物の具体的な取扱いについてはこちらをご覧ください。 |
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■石綿含有廃棄物等処理マニュアル(第3版)(PDF/1.78MB) | |||
(4) |
その他の注意事項 |
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石綿含有産業廃棄物の処理を委託する際には、委託者の有する委託した産業廃棄物の適正な処理のために必要な事項に関する情報として、委託する産業廃棄物に「石綿含有産業廃棄物が含まれる旨」を契約書に記載しなければなりません(規則第8条の4の2)。また、産業廃棄物を委託業者に引き渡す際に交付する産業廃棄物管理票(マニフェスト伝票)は、石綿含有産業廃棄物については他の廃棄物とは区分して、それぞれ廃棄物の種類ごとに1セットとして交付する必要があります。 | |||
■委託契約書の記載事項について ■委託契約書について ■マニフェストの具体的な記載例(PDF/1.30MB) |
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<石綿含有産業廃棄物(産業廃棄物)の処理について> |
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■アスベスト廃棄物の適正処理(運搬・中間処理・最終処分) ■「石綿含有産業廃棄物」の処理概要 ■廃石綿等に関する法令その他の情報(環境省) |
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